2026.03.29
cut6 スペースコロニー
救済者を探すことを諦め、
イブは不思議な扉をくぐった。
その先に広がっていたのは、
巨大なコロニー内部の静かな世界だった。
通路の奥では整備ロボットが静かに移動していた。
高く湾曲した天井の下に、
緑の木々が幾重にも続いている。
点在する人造湖は、
柔らかな光を受けて静かに揺れていた。
作られた自然であることは、
イブにもすぐに分かった。
風は穏やかで、葉の揺れる音さえ優しく耳に届く。
湖面の反射は、
彼女の青い瞳にかすかな安堵を映していた。
木々の緑も、土の匂いも、
水のきらめきも穏やかだった。
本物ではなくとも、
この風景は確かに彼女を落ち着かせた。
ここで日々を重ねる未来を想像してみる。
それは寂しさではなく、
静かな希望として胸に残った。
イブはここで暮らしてもいいのだと、そう思った。