2026.04.16
cut21 星を見上げるイブ
コロニー内をのんびりと散歩しながら、
イブは完全に寛いでいた。
体は軽く、
まるで雲の上を歩いているかのようであった。
余りに軽く、足の感覚を失ってはいたが、
姿勢制御は完璧に保たれていた。
イブは星空を見上げる。
その完璧な油断は、見過ごされることなく、
意識は一気に輝く星へと導かれ、
その星と一体となった。
以前に同じことがあったとイブは思った。
だが二度と起こり得ないと、
その時は確信していた。
そして、その確信ゆえに、
再びこの奇跡に触れる事ができたのだ。
イブはそれを理解し、
どちらにせよ不可能である記憶回路への保存を放棄した。